航空関係

計器飛行証明を取得すると何ができるか

「計器飛行証明を取得するとどのような飛行ができるようになりますか?」
計器飛行証明技能審査を受験する際の口述試験においてほとんどの試験官が最初に聞く質問である。
当然受験生はこの質問にすらすらと答えれるようにしておかなければならない。
別にすらすら答えられなくても技能審査不合格がそこで決まるわけではないが、試験官の印象が悪くなるのは間違いない…
悪いことは言わないので、計器飛行証明を受験する方は、最低でもこの問には完ぺきに回答できるよう準備して技能審査に臨んでもらいたいと思う。
この問の回答は、航空法第34条(計器飛行証明及び操縦教育証明)に記載がある。

問:計器飛行証明を取得するとできるようになることは???

〇計器飛行
〇計器航法のうち、省令で定める110KMまたは30分を超えて行う飛行
〇計器飛行方式による飛行
の3つです!

と回答すると試験官はだいたい「そうですね 😀 」と言い…

「では、計器飛行とはどういう飛行ですか?」という流れで踏み込んだ質問にはいっていく。

問:計器飛行とはどのような飛行?

計器飛行とは航空機の「姿勢」「高度」「位置」及び「針路」の測定を計器のみに依存して行う飛行のことである(航空法第2条)。
簡単に説明すると、雲の中での飛行や暗夜などで水平線や地平線を識別することができない状況での飛行、雨や霧などで視程障害現象が発生し、地上物標や水平線・地平線が視認できない時の飛行のことである。

と回答すると試験官はだいたい「そうですね 😀 」と言い…

「では、計器航法とはどういう飛行ですか?」という流れで次の質問にはいっていく。

問:では、計器航法とは?

計器航法による飛行とは、計器飛行以外の、航空機の「位置」及び「針路」の測定を計器のみに依存して行う飛行である(航空法第34条)
※計器飛行と計器航法、言葉は似ているけど別の飛行法なので、混同しないように注意が必要!

と回答すると試験官はまたもや「そうですね 😀 」と言い…

「では、計器飛行方式による飛行とはどういう飛行ですか?」という流れで次の質問にはいっていく。

問:では、計器飛行方式による飛行とは?

これも航空法第2条に定義があるのだが、結構長くてややこしい。何度も読み込まないとなかなかうまく説明ができない(汗)
まあ、簡単に説明すると要点は3つ
①管制圏の指定された空港等からの離陸及びそれに引き続く上昇飛行、着陸及びそのための
降下飛行について、国交大臣の定める経路及び国交大臣が与える指示による経路において、国交大臣が与える指示に常時従って行う飛行の方式
②情報圏の指定された空港等からの離陸及びそれに引き続く上昇飛行、着陸及びそのための
降下飛行について、国交大臣の定める経路において、国交大臣が提供する情報を常時聴取して行う飛行の方式
③①に規定する飛行以外の管制区における飛行において、国交大臣が経路その他の方法につ
いて与える指示に常時従って行う飛行の方式という感じで要点をまとめて回答できるように頭の中を整理しておけばOKだと思う。

パイロットの自己判断が大半をしめる「有視界飛行方式」に対し「計器飛行方式」は、国交大臣(指示するのは、権限を委任された管制官)の指示を受け飛行するという方式である。
※計器飛行と計器飛行方式による飛行も似ている名称だけど、全く別の意味を持つ飛行であるので、よく頭を整理する必要がある!

「計器飛行」「計器航法」「計器飛行方式による飛行」の定義を整理して理解する‼