IFRで飛行していると管制間隔を維持するために管制官から速度指示を受けることがあります。特に間隔を重要とされる進入機には速度調整指示が頻繁に行われます。
管制間隔により、指示される速度はまちまちですが、10000ft未満の空域で、目的飛行場の滑走路進入端から20NMを超える場合ターボジェット機であれば210kt、プロペラ機であれば、200ktが最低速度となり指示を受けることとなり、滑走路進入端から20NM以内であればターボジェット機であれば170kt、プロペラ機であれば150ktが最低速度となります。(管制方式基準Ⅳー9-3)
また、上記以下への速度の減速が必要な場合は、以下の指示が来ることがありますので注意が必要です。
〇「Reduce to Minimum Clearn Speel」
(FLAPを展張しないで維持できる最小速度への減速)
〇「Reduce to Minimum Approach Speed」
(実用上可能な最小速度への減速)
さて、先日那覇空港をベースにする友人から問い合わせがありました。
「那覇アプローチで速度指示されて、GCAに移管されたんだけど、その速度指示ってどこまで有効なん?」
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お答えします。
速度調整が終了するのは、以下の6つの場合になります。
(管制方式基準Ⅳー9-4)
①「Resume Normal Speed」の指示を受けた場合
②待機(holding)の指示を受けた場合
③進入許可を受けた場合
④レーダー進入において、接地点から5NMの地点、又は最終降下開始点のうち、いずれか
接地点から遠いほうの地点を通過した場合
⑤速度を維持すべき地点を明示されていて、その地点を通過した場合
⑥SID若しくはトランジションによる上昇、またはSTARによる降下指示をした場合
GCAはレーダー進入ですので、④が該当します。1500ftパターンであれば5NMの地点、2000ftパターンであれば降下を開始する約6.7NMの地点ということになります。
当然、指示されていた速度が高速で着陸速度へのトランジットに影響がでることが予想される場合は、速度指示の解除又は減速の要求をするべきです。
(補足)
上記③で進入許可を受けた場合という記載がありますが、まれにトラフィックの関係で進入許可発出後も速度調整を受ける場合があります。そのような場合は、改めて速度調整の指示が行われ、速度を維持すべき地点が明示されますが、もし、速度指示がない場合は下記の地点で速度指示は自動的に終了しますので参考に覚えといてください。
進入許可後の速度調整は、以下のいずれかが終了地点となります。
(管制方式基準Ⅳー8-2)
①ILS進入の場合は、アウターマーカーもしくは、これに相当するDMEフィックス、または
接地点からの5NMの地点のうち、いずれか滑走路に近い地点。
②視認進入(Visual Approach)の場合は、ベースレグへの旋回開始点、または滑走路進入
端から5NMの地点のうち、いずれか滑走路から近い点。
③上記以外の場合は、滑走路進入端から5NMの地点。
那覇空港では、自衛隊機も多数飛行しており、GCAでの進入が指示される(または、管制官の練習として要求される)ことがありますので、参考にしてください。
🛩Have a safety FLT!!